刑法各論

刑法各論シリーズ第10回 〜財産罪〜 恐喝罪

今日は恐喝罪です。あまり試験的にはそこまで出ないかと思いますが、やっていきます。

 

5 恐喝罪(249条)

構成要件:

①恐喝行為 ②畏怖 ③処分行為 ④財物・利益の移転(財産上の損害の発生)

①〜④が相当因果関係にあり、一連の過程が故意で包摂されていることが必要

① 恐喝行為とは

恐喝:暴行または脅迫を手段とし、相手方の犯行を抑圧するに至らない程度に畏怖させ、財物の交付などを要求する行為。

→暴行・脅迫の程度が、強盗罪と恐喝罪の分水嶺となる。

強盗との違いは「相手方を畏怖せしめるに足る害悪の告知」があるかないか。あれば、恐喝。

 

<適法行為と恐喝>

例)脱税を告発すると言ってお金を取る場合。

→適法であっても「恐喝に当たると解する。」

なぜなら、恐喝の本質=畏怖に基づく処分行為→適法でも畏怖させられる。

 

③処分行為

恐喝の性質上、詐欺罪のような明確な処分意思は要求されない。

例)畏怖して黙認しているのに乗じて奪っても処分行為は認められる。

 

<権利行使と恐喝罪>

(事例)甲は、乙に200万円を貸していたが、返済期限がすぎても乙が全く返そうとしない為、乙に犯行抑圧するに足りない程度の暴行を加えて200万円を交付させた。甲に恐喝罪は成立するか。

〜簡易論証〜

1 債権者が、債務の弁済を得る為に債務者を恐喝して財物を交付させた場合、恐喝罪(249条1項)が成立するか。まず、損害以外の構成要件を認定。そして、債務者が財物を交付することにより債務が消滅するが、恐喝罪は奪取罪(235条以下)と同様、個別財産に対する罪であり、財物を交付したことにより損害が認められる。したがって、恐喝罪の構成要件に該当する。

2 では権利行使として違法性が阻却されないか(35条)

そもそも違法性の実質は社会的相当性を逸脱した法益侵害にあると解されるから、権利行使が社会的に相当といえれば、違法性が阻却されうると解する。具体的には①権利の範囲内で、②その方法が権利行使の必要性・緊急性・被害者の態度等に照らし、社会通念上相当と認められる場合であれば、違法性が阻却されると解する。

補足:自己の所有物を取り戻す場合、<奪取罪の保護法益>も問題となる。

参考文献

講義案 西田刑法各論 趣旨規範本 あしべつぼん

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