刑法各論

刑法各論シリーズ 第7回 〜財産罪〜 詐欺罪part1

こんにちわ! もうはやいもので、第7回まで来ましたね! 過去の投稿は、カテゴリー別に分けられているので、そちらも参照してください! 毎日発行の無料メルマガもありますよ!そちらも要チェックです♪

では、今日は、詐欺ですね。近年振り込め詐欺が大変多いです。わかっていても、相手は巧妙ですから振り込んでしまうのでしょうね💦


246条 (詐欺)

1項:人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2項:前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


246条の2 (電子計算機使用詐欺)

前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。


248条  (準詐欺)

未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。


ステップ①

本当にシンプルな条文ですね!  人を欺いて、財物を交付させた者=詐欺

一般的に、詐欺が成立するには、

構成要件:

①「欺罔行為」:人に向けられた行為で、相手方が真実を知っていれば、財産的処分行為を行わないような重要な事実を偽ること。

②「錯誤」に陥ること。

③ 錯誤の結果、「処分行為」をし、

④「財物・利益」の移転(財産上の損害の発生)させる

という①〜④の一連の過程を経て詐欺になります。 ですので、論文でも、この流れにしたがってあてはめをすればよさそうですね。

補足:①から④が相当因果関係にあり、一連の過程が故意で包摂されていることが必要である。


ステップ②  「欺罔行為」とは、

「欺罔行為の」態様:詐言、不作為(告知義務が有る場合)、挙動 から判断。

また、相手方の錯誤に基づく処分行為に向けられていなければ成らない。

例1)偽札を、本物だと偽って宝石店で宝石を購入する場合  (択一知識)

→店員の処分行為に向けられた欺罔行為であるといえる。

 

例2)「UFOだ」と嘘をつき、店員の気をそらせて、その間に宝石を奪う行為

→店員の処分行為に向けられた欺罔行為とはいえない(因果関係が違う)

この場合は、詐欺未遂罪にもならない。占有者の意思に反して財物の占有を奪っているといえるので、窃盗罪が成立する。

 

例3)偽造した硬貨を使い自動販売機でジュースを買う行為

→機械は錯誤に陥らないため、機械に対する行為は欺罔行為にはならず、窃盗罪が成立する。


ステップ③  「錯誤」

錯誤とは,内心で思っていることと、意思表示の内容が違っているが、そのことに本人が気づいていないことである。欺罔行為により、錯誤が生じるという因果関係が必要。


ステップ④  「処分行為」

処分行為が認められる為には、「処分意思」が必要。

→意思的処分行為説(判例)

→特定の財物の占有(又は利益)の移転という結果の認識が必要。

補足:処分行為の有無は、客体が財物の場合は「詐欺」罪と「窃盗」罪の分水嶺となり、客体が利益の場合は詐欺罪か不可罰かの分水嶺となる。


 

ステップ⑤

財物、利益の移転の結果、財産上の損害が発生すること

条文上は明記されていないが、詐欺罪も財産罪の一類型であることから、詐欺罪の成立要件として財産上の損害の発生が必要になる。

→個別財産の喪失それ自体が損害であるとする説(判例・通説)


 

明日は、具体的に詐欺罪関連の論文知識を扱います。

 

今日は、条文と基礎知識のみ扱いました。
今回参照した基本書・問題集

刑法各論 第6版 (法律学講座双書)

 

短答肢別本〈7〉刑事系刑法〈平成24年版〉

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